歌舞伎D-13

kōken

後見

こうけんthe onstage attendant who assists the actor

INSTANT ANSWER一撃回答

舞台の上で俳優の演技を助ける役。小道具の出し入れや衣裳の引抜きを担い、多くは演者の門下の俳優が務めるとされる。

後見は、舞台の上で演技や演出を助ける役である。小道具の出し入れ、衣裳の調整、舞台上で衣裳を一変させる「引抜き」などを担い、演者の動きからキッカケを読み取って、わずかな一瞬を逃さずに働く。芝居や音楽の知識に加え、演者の癖やその日の調子への対応まで求められるため、ほとんどの場合、演者の門下の俳優が務めるとされる。

黒衣姿のほか、鬘を付け、黒の着付けに裃を重ねた「裃後見」は、歌舞伎十八番など様式性の強い演目に登場するとされる。主役の背後に端然と控えるその姿は、それ自体が舞台の格式の一部である。

後見の技が最も鮮やかに現れるのは、舞踊の引抜きの瞬間だろう。長唄舞踊の大曲『京鹿子娘道成寺』では、後見が仕付け糸を抜き取るや、白拍子の衣裳が一瞬で別の色に変わる。踊りを止めずに何度も衣裳を替えてみせるこの離れ業は、後見と演者の呼吸が完全に合ってこそ成り立つとされる。

裃後見が映えるのは、市川宗家が家の芸として伝えてきた歌舞伎十八番のような格の高い舞台である。『勧進帳』をはじめとする演目で主役を支える後見の存在は、芸が師から弟子へ、家から家へと受け継がれていく歌舞伎の仕組みそのものを映している。

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SOURCES

出典・監修

執筆
D-13編集部
監修
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公開日
2026年8月15日(土)
最終更新日
2026年8月16日(日)