kodōgu

小道具

こどうぐhand props and stage objects

INSTANT ANSWER一撃回答

俳優が手に持ち身につける持ち道具と、あらかじめ舞台に据えられる置き道具の総称。刀や傘から掛け軸まで、芝居の細部を支える。

小道具(こどうぐ)は、俳優が直接手に持ったり身につけたりする「持ち道具」と、あらかじめ舞台に据えられている「置き道具」に大きく分けられる。刀や鎧などの武具、草鞋や下駄などの履き物、家具や掛け軸、駕籠などの乗り物まで、その範囲は広い。

大道具(おおどうぐ)との境界を示す例としてよく挙げられるのが木の枝である。舞台に立つ木そのものは大道具だが、俳優が折って手に取った枝は小道具になる。受け持ちを分けるのは大きさではなく、「動かないもの」か「手にするもの」かという基準である。

歌舞伎の小道具は、専門の会社が一手に支えてきた。明治5年(1872)創業とされる藤浪小道具は、江戸以来の技を受け継ぎながら今日も歌舞伎の小道具を作り続けており、その製作技術は文化財保護の枠組みの中で選定保存技術として認められているとされる。舞台のひと振りの刀にも、百五十年を超える蓄積が宿っている。

歌舞伎十八番(じゅうはちばん(おはこ))『助六(すけろくゆかりのえどざくら)』では、蛇の目傘が主人公の粋をひと目で伝える小道具として、花道(はなみち)の出を彩る。市川宗家(いちかわそうけ)が代々磨いてきた役の姿もまた、こうした道具の一つひとつに支えられている。

  1. 倉庫演目ごとに分類して保管
  2. 調整・補修その劇場の間口と高さに合わせる
  3. 仕込み前日までに建て込み、場当たりまで済ませる
  4. 公演毎日の開け閉めに耐える
  5. 解体・積み込み終演後に畳んで次へ運ぶ

→ 手入れを経て、また倉庫へ戻る

大道具は興行のたびに作り捨てるのではなく、専門会社の倉庫で演目ごとに保管され、上演が決まると劇場の寸法に合わせて建て直されます。場面の種類ごとに規格化された「定式」の体系があるため、基本の道具は演目をまたいで使い回しが利きます。
SOURCES

出典・監修

執筆
KABUKI Universe編集部
監修
市川團十郎
公開日
2026年8月15日(土)
最終更新日
2026年9月9日(水)
監修済み

監修は、市川團十郎に趣旨と要点を確認いただいたことを示します。本文は編集部の文章であり、市川團十郎の発言ではありません。文責は編集部にあり、記述の誤りは編集部の責任で訂正します。 編集方針を読む