ōdōgu

大道具

おおどうぐthe large-scale stage settings

INSTANT ANSWER一撃回答

山や海の背景、建物や木、岩など、舞台に据えられる大がかりな装置の総称。廻り舞台(まわりぶたい)やセリなどの舞台機構もその一部に数えられる。

大道具(おおどうぐ)は、山・川・海・野原といった背景や、建物、木、岩など、舞台に飾られる大がかりな装置の総称である。受け持ちを分ける基準は大きさではなく、固定されて動かないものが大道具、俳優が手に持ち身につけるものが小道具(こどうぐ)とされる。廻り舞台やセリといった舞台機構も、大道具の一部に数えられる。

これらを作り、飾り、場面転換で操作するのが大道具方である。演目によっては、道具のしまい方や転換の見せ方そのものが見せ場になっているものもあり、大道具の仕事は単なる裏方仕事を超えて、演出の一部になっている。

日常語の「どんでん返し」も、大道具の世界から生まれたとされる。背景を大道具ごと後ろへ倒して一瞬で場面を変える転換技法「強盗返(がんどうがえ)し」がその源で、転換の合図に打たれる太鼓の音から「どんでん」の名がついたともいわれる。結末が引っくり返る意味で使われる現代の用法には、舞台がまるごと裏返る驚きの記憶が残っている。

歌舞伎十八番(じゅうはちばん(おはこ))『鳴神(なるかみ)』では、北山の岩屋と滝を描く大道具が、物語の舞台を丸ごと作り出す。市川宗家(いちかわそうけ)が磨いてきた荒事(あらごと)のおおらかな世界は、大道具の思い切ったスケールとともに作られてきた。

  1. 倉庫演目ごとに分類して保管
  2. 調整・補修その劇場の間口と高さに合わせる
  3. 仕込み前日までに建て込み、場当たりまで済ませる
  4. 公演毎日の開け閉めに耐える
  5. 解体・積み込み終演後に畳んで次へ運ぶ

→ 手入れを経て、また倉庫へ戻る

大道具は興行のたびに作り捨てるのではなく、専門会社の倉庫で演目ごとに保管され、上演が決まると劇場の寸法に合わせて建て直されます。場面の種類ごとに規格化された「定式」の体系があるため、基本の道具は演目をまたいで使い回しが利きます。
SOURCES

出典・監修

執筆
KABUKI Universe編集部
監修
市川團十郎
公開日
2026年8月15日(土)
最終更新日
2026年9月9日(水)
監修済み

監修は、市川團十郎に趣旨と要点を確認いただいたことを示します。本文は編集部の文章であり、市川團十郎の発言ではありません。文責は編集部にあり、記述の誤りは編集部の責任で訂正します。 編集方針を読む