01SYNOPSIS
3行あらすじ
筋を知ってから観ても、歌舞伎は損をしません。まずは三行だけ。
- 01
正月。曽我五郎は、父の敵・工藤祐経を討つ日に備え、砥石で巨大な矢の根を勇ましく研いでいる。
- 02
うたた寝した五郎の夢に兄・十郎が現れ、工藤の館に捕らわれていると告げて助けを求める。
- 03
跳ね起きた五郎は、通りかかった馬子の馬を奪って飛び乗り、大根を鞭代わりに兄のもとへ駆けつける。
02WHAT TO WATCH
初心者はここを観る
予備知識はこの三つで十分です。当日は、舞台に身をゆだねてください。
01
初春の祝祭劇
曽我物は江戸の初春の恒例。晴れやかな舞台に若武者の力がみなぎる、おおらかな祝いの一幕である。
02
巨大な矢の根
誇張された巨大な矢の根と砥石。荒事らしい大道具のスケールが、五郎の超人ぶりを一目で伝える。
03
大根の鞭
馬子から奪った馬を、売り物の大根で急がせる幕切れ。深刻な敵討ちの物語を、おおらかな笑いが包む。
03CHARACTERS
登場人物
- 曽我五郎時致
- 曽我兄弟の弟。筋隈の若武者で、『暫』の主人公と並ぶ典型的な荒事の役。
- 曽我十郎祐成
- 五郎の兄。夢の中に現れ、弟に危急を告げる。
04STAGECRAFT
見どころ・舞台
享保14年(1729)に二代目市川團十郎が初演したとされ(成田屋公式は享保五年(1720)初演とする)、生涯に4回勤めた得意の役と伝わる。大薩摩の太夫が新年の挨拶に訪れるなど、初春らしい趣向がちりばめられている。
筋隈の五郎が見せる力感あふれる様式美は「動く絵画」とも評される。研ぎの所作から夢のくだり、馬上の幕切れまで、荒事の型の魅力を短い一幕に凝縮した演目である。
05NARITAYA
市川家との関係
歌舞伎十八番
歌舞伎十八番の一つ。二代目團十郎以来の当たり芸で、市川宗家の荒事を代表する初春の演目として受け継がれている。
出典・参照
- 執筆
- KABUKI Universe編集部
- 監修
- 市川團十郎
- 公開日
- 2026年8月15日(土)
- 最終更新日
- 2026年9月9日(水)
監修済み編集部執筆
監修は、市川團十郎に趣旨と要点を確認いただいたことを示します。本文は編集部の文章であり、市川團十郎の発言ではありません。文責は編集部にあり、記述の誤りは編集部の責任で訂正します。 編集方針を読む