歌舞伎D-13

kumadori

隈取

くまどりkabuki's bold makeup of colored lines

INSTANT ANSWER一撃回答

役柄の内面を色と線で顔に描き出す歌舞伎独特の化粧法。紅は正義や勇気を、藍は敵役や超自然の力を表すとされる。

隈取は、役の性質を色彩と線で顔に描き出す化粧法で、荒事の誕生とともに発達したとされる。血の通う紅の隈は正義・勇気・若さを、藍の隈は敵役や怨霊など人ならぬ力を、茶は鬼や精霊を表すとされる。筋肉や血管の隆起を様式化したものといわれ、感情を増幅する「顔の彫刻」ともいえる。

隈は筆で描くのではなく、指で「取る」(ぼかす)ことからこの名があるとされる。役者は自らの顔に合わせて隈を取るため、同じ役でも役者ごとに微妙に異なる表情が生まれる。舞台の後、布に写し取れば「押隈」という一点ものの記録になる。

隈取には百種近い型があるとされ、役柄ごとに細かく描き分けられる。『暫』の鎌倉権五郎が取る「筋隈」は超人的な力と激しい怒りを、『助六』の主人公が取る「むきみ隈」は若々しさと色気、正義感を、『鳴神』の鳴神上人の「二本隈」は堂々たる大人の力強さを表すとされる。高い身分を持つ大悪人には藍色の「公家荒」——隈を見れば、登場人物の素性が語られる前から見えてくる。

隈取は、初代市川團十郎が荒事の工夫とともに始めたとされ、市川宗家の芸と分かちがたく結びついてきた。『暫』の紅の筋隈はその象徴として、十三代目の舞台にも受け継がれている。

紅隈

正義・若さ・あふれる力

藍隈

悪・怨霊・冷たい力

茶隈

鬼や妖怪など、人ならざるもの

色を見れば、その役の性質が伝わる——隈取は歌舞伎の「顔の言葉」です。隈取には多くの種類があり、図の色はおよその色味です。隈取をくわしく →
歌舞伎十八番『矢の根』の曽我五郎時宗。顔に紅の筋隈を描き、荒々しい表情で大矢を研ぐ五代目市川海老蔵
歌川国貞『歌舞伎十八番之内三 矢の根 五代目市川海老蔵の曽我五郎時宗』嘉永5年(1852)歌川国貞『歌舞伎十八番之内三 矢の根 五代目市川海老蔵の曽我五郎時宗』国立国会図書館デジタルコレクション(パブリックドメイン, Wikimedia Commons)
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KABUKU. / 市川團十郎。

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【歌舞伎雑学】赤・青・茶…隈取の色の意味 #市川團十郎 #團十郎 #歌舞伎 #隈取

2025年7月20日(日)

赤は忠義や勇猛さ、青は冷酷さや狂気、茶は人間を超えた存在——色で役柄を読む方法が約1分でまとまっています。

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出典・監修

執筆
D-13編集部
公開日
2026年8月15日(土)
最終更新日
2026年8月16日(日)