Narukami
鳴神
なるかみ英語名: Narukami — The Thunder God
別表記: 鳴神 / Narukami / The Thunder God
3行あらすじ
筋を知ってから観ても、歌舞伎は損をしません。まずは三行だけ。
- 01
高僧・鳴神上人は、朝廷への恨みから龍神を滝壺に封じ込め、国中を日照りに陥れている。
- 02
朝廷は絶世の美女・雲の絶間姫を遣わす。姫は色香と機知で上人に近づき、酒を勧めて戒を破らせる。
- 03
姫が注連縄を切ると龍神は天に昇り、雨が降り出す。欺かれたと知った上人は怒りの形相へと変貌し、姫を追って花道を駆け去る。
初心者はここを観る
予備知識はこの三つで十分です。当日は、舞台に身をゆだねてください。
色気と笑い
前半は上人と姫の駆け引きが中心。歌舞伎には珍しいほど艶やかで、ユーモラスな対話劇が続く。
上人の変貌
欺かれた瞬間、白い衣は火炎の衣裳へ、素顔は隈取へ。人が荒神へ変わるさまを目の当たりにする。
柱巻きの見得
幕切れ、柱に巻きつくように決まる大見得から、六方の退場へ。荒事の迫力が一気に爆発する。
登場人物
- 鳴神上人
- 龍神を封じるほどの法力を持つ高僧。前半の柔らかさと後半の荒々しさの落差が大役たるゆえん。
- 雲の絶間姫
- 勅命を帯びて上人のもとへ遣わされた美貌の姫。色香と機知で物語を動かす。
見どころ・舞台
舞台は滝を背にした山中の庵。滝口に注連縄が張られ、これを切ることが劇の転換点となる。前半の柔らかな対話劇と、後半の荒事とが鮮やかな対照をなす。
変貌後の上人は、火炎模様の衣裳に厳しい隈取という荒事の扮装。柱巻きの見得や豪快な立ち回りなど、初代團十郎以来と伝わる荒事の型が随所に生きている。
市川家との関係
歌舞伎十八番の一つ。初代市川團十郎が演じたと伝わる由緒ある演目で、色事と荒事が一本で味わえる代表作として市川宗家に受け継がれている。
團十郎の言葉
この演目についての團十郎本人の言葉は、収録と本人確認を経てここに掲載します。編集部が発言を創作・推測することはありません。
出典・参照
本ページは、歌舞伎について広く共有されている標準的な知識に基づき、D-13編集部が構成しています。初演年など細部に諸説ある事項は断定を避けています。
- 執筆
- D-13編集部
- 公開日
- 2026年8月15日(土)
- 最終更新日
- 2026年8月15日(土)