oshiguma

押隈

おしぐまa print of kumadori makeup pressed onto cloth

INSTANT ANSWER一撃回答

舞台を終えた役者が、顔の隈取(くまどり)を布や紙に押し当てて写し取ったもの。その日、その役を生きた身体の記録として残される。

押隈(おしぐま)は、舞台を終えた役者が、顔に残る隈取を絹や和紙に押し当てて写し取ったものである。同じ役でも、その日の化粧、汗、舞台の熱によって一枚ごとに表情が異なり、二つとして同じものは生まれない。

贈られた押隈は表装され、掛軸や額に仕立てて飾られてきたとされる。名優の押隈は時代を超えて残り、明治の名優・九代目市川團十郎(いちかわ だんじゅうろう)が明治20年(1887)に残した押隈は、今日も文化遺産として大切に収蔵されている。一枚の布に、百年以上前の舞台の熱がそのまま封じ込められているのである。

古くから贔屓への贈り物や記念として愛蔵されてきた、「その日その役の身体の記録」である。十三代目團十郎(だんじゅうろう)の個展でも押隈は作品として展示され、舞台と美術をつなぐ存在になっている。

SOURCES

出典・監修

執筆
KABUKI Universe編集部
監修
市川團十郎
公開日
2026年8月15日(土)
最終更新日
2026年9月9日(水)
監修済み

監修は、市川團十郎に趣旨と要点を確認いただいたことを示します。本文は編集部の文章であり、市川團十郎の発言ではありません。文責は編集部にあり、記述の誤りは編集部の責任で訂正します。 編集方針を読む