TRADITIONAL PERFORMING ARTS OF JAPAN

日本の伝統芸能とは

日本の伝統芸能とは、能楽(能・狂言)、人形浄瑠璃文楽、歌舞伎、雅楽、日本舞踊など、長い時間をかけて人から人へ受け継がれてきた舞台の芸能を指します。国はその重要なものを重要無形文化財に指定し、ユネスコは能楽・文楽・歌舞伎(2008年)、雅楽(2009年)を無形文化遺産の代表一覧に記載しています。このうち歌舞伎は、江戸時代に町人の娯楽として育ち、庶民の劇場文化として広がった演劇です。

KEY FACTS

  • 無形文化財は「わざを体得した個人または個人の集団によって体現される」——国は重要なものを重要無形文化財に指定し、保持者・保持団体を認定する(文化庁)
  • ユネスコ無形文化遺産の代表一覧: 能楽(2008年・2001年宣言)、人形浄瑠璃文楽(2008年・2003年宣言)、歌舞伎(2008年・2005年宣言)、雅楽(2009年)
  • 文化庁は歌舞伎を「能楽、人形浄瑠璃と並んで、わが国の三大国劇」と解説する
  • 国立劇場は能楽・文楽・歌舞伎・演芸の後継者養成のための研修事業を行っている(文化庁)
01DEFINITION

伝統芸能とは——無形文化財という考え方

日本の文化財保護法は、演劇・音楽・工芸技術のような「形のない技」を無形文化財と呼びます。文化庁の説明では、無形文化財は「そのわざを体得した個人または個人の集団によって体現される」ものです。技が人の中にしかないからこそ、国は重要なものを重要無形文化財に指定し、保持者や保持団体を認定して継承を図っています。「伝統芸能」とは、こうして人から人へ受け継がれてきた舞台の芸のことです。

02THE MAJOR ARTS

主な伝統芸能——能楽・文楽・歌舞伎・雅楽

能楽(能と狂言)は、ユネスコの説明によれば8世紀に中国から伝わった散楽に起源をもち、14〜15世紀に全盛期を迎えた舞台芸術です。人形浄瑠璃文楽は、語り(義太夫節)と三味線と人形が一体となった人形劇で、ユネスコは「能・歌舞伎と並ぶ日本の主要な舞台芸術の一つ」と記します。雅楽は、ユネスコが「日本の伝統芸能の中で最も古い」と説明する宮廷の音楽と舞です。

歌舞伎は、この中で最も新しく、最も町に近い芸能です。17世紀初頭に生まれ、町人の娯楽として育ち、江戸時代を通じて演劇として成熟しました。能の様式、狂言の笑い、文楽の物語と音楽を取り込みながら、それを「様式化、庶民化」(文化庁)したのが歌舞伎です。

03KABUKI

伝統芸能の中の歌舞伎——庶民の劇場文化

文化庁は歌舞伎を能楽・人形浄瑠璃と並ぶ「三大国劇」の一つと位置づけ、ユネスコは「とりわけ町人のあいだで人気を集めた」と記します。武家に保護された能と違い、歌舞伎は観客の支持で続いてきました。役者の名を掛け声で呼び、屋号を知り、役者絵を買う——観客もまた歌舞伎という文化の一部でした。

04HISTORY

歌舞伎の歴史へ

1603年頃の阿国のかぶき踊りから、江戸の三座、荒事と和事、義太夫狂言の受容、明治の演劇改良、そして現代へ。歌舞伎の400年は「歌舞伎とは」の頁と、初代から十三代目までの歴代團十郎の頁で、順を追って読めます。

05ACTORS, HOUSES, NAMES

歌舞伎を継承する俳優と家・名跡

無形文化財は人によって体現される——歌舞伎では、その「人」が俳優と家です。1965年4月20日、歌舞伎が重要無形文化財に指定されたとき、その保持者として総合認定を受けたのは伝統歌舞伎保存会の会員である俳優たちでした。名は「名跡」として受け継がれ、家は「屋号」で呼ばれ、家によっては代々の得意芸を演目群として定めています。

06ICHIKAWA SŌKE

市川宗家と市川團十郎

市川團十郎家(成田屋)は「市川宗家」と呼ばれ、初代が生み出した荒事と、七代目が定めた歌舞伎十八番を家の芸として伝えてきました。当代の十三代目 市川團十郎白猿は伝統歌舞伎保存会の会員(第十一次認定・2005年、当時 十一代目市川海老蔵)であり、重要無形文化財「歌舞伎」の保持者として総合認定を受けた俳優の一人です。

執筆
KABUKI Universe編集部
公開日
2026年9月12日(土)
最終更新日
2026年9月12日(土)
編集部執筆