tsuke

ツケ

つけthe wooden clappers that punctuate the action

INSTANT ANSWER一撃回答

舞台の上手で木の板を打ち鳴らし、走る足音や見得(みえ)の瞬間を強調する効果音。役者の呼吸と一体になり、場面を引き締める。

ツケは、舞台上手の袖で「ツケ木」と呼ばれる二本の木を「ツケ板」に打ちつけて出す効果音である。役者の走る足音に合わせて刻む「バタバタ」、見得の瞬間に打ち込む「バッタリ」など、動きの輪郭をくっきりと際立たせる。

ツケを打つのは「ツケ打ち」と呼ばれる専門の仕事で、役者の呼吸を読み、間を合わせる熟練の技が求められる。音がひとつ決まるたび、舞台と客席の緊張が引き締まる。

ひとくちにツケといっても、受け継がれ方は東西で異なる。東京ではツケ打ちは大道具(おおどうぐ)方の仕事として、関西では狂言方の仕事として伝えられてきたとされ、同じ「バッタリ」にも系統の違いが息づいている。重要な人物の登場を印象づけ、物の落ちる音をさりげなく置き換える——その用途の広さも、ツケという芸の奥行きである。

ツケは特定の家の芸ではなく、歌舞伎全体を支える舞台の言葉である。荒事(あらごと)の大きな見得を際立たせる音として、市川宗家(いちかわそうけ)が受け継ぐ歌舞伎十八番(じゅうはちばん(おはこ))の舞台にも欠かすことができない。

ツケ板(舞台上手の床に置く)バタバタ走る・立廻りバッタリ見得が決まるトントン小さな動き
ツケ——舞台の上手に置いた板を、二挺の木で打って鳴らす音。走る場面、見得が決まる瞬間、細かな仕草。音が動きに輪郭を与えます。呼び名は劇場や場面によって異なります。

SOUND

音で聴く

※ 本物の附け打ち・柝の録音ではありません。木を打つ音を、お使いのブラウザがその場で合成しています。音源ファイルは読み込みません。

SOURCES

出典・監修

執筆
KABUKI Universe編集部
監修
市川團十郎
公開日
2026年8月15日(土)
最終更新日
2026年9月9日(水)
監修済み

監修は、市川團十郎に趣旨と要点を確認いただいたことを示します。本文は編集部の文章であり、市川團十郎の発言ではありません。文責は編集部にあり、記述の誤りは編集部の責任で訂正します。 編集方針を読む