舞台
歌舞伎座 十二月大歌舞伎
- 日程:
- 2026年12月2日(水) – 12月25日(金)
- 会場:
- 歌舞伎座(東京)
- チケット:
- 公式サイト参照
Yowa Nasake Ukina no Yokogushi
よわなさけうきなのよこぐし英語名: Scarred Yosaburō (Yowa Nasake Ukina no Yokogushi)
別表記: 与話情浮名横櫛 / 切られ与三 / お富与三郎 / Kirare Yosa
筋を知ってから観ても、歌舞伎は損をしません。まずは三行だけ。
江戸の大店の若旦那・与三郎は、木更津の浜で美しいお富と出会い、ひと目で恋に落ちる。
しかしお富は土地の親分の妾だった。密会が露見して与三郎は全身に無数の傷を受け、お富は海に身を投げる。
数年後、ならず者に落ちぶれた与三郎がゆすりに入った妾宅で、死んだはずのお富と再会する——名場面「源氏店」である。
予備知識はこの三つで十分です。当日は、舞台に身をゆだねてください。
「しがねえ恋の情けが仇」。七五調で流れる与三郎の述懐は、歌舞伎の台詞の音楽性を代表する聞かせどころ。
荒事の様式美とは対照的に、江戸の市井の暮らしと男女の情を描く「世話物」の代表作。
傷を負ってなお色気を失わない与三郎。「切られ与三」の名で愛される、歌舞伎屈指のアンチヒーロー。
三代目瀬川如皐の作で、嘉永年間に江戸で初演されたとされる世話物。木更津の浜の開放的な場面から源氏店の妾宅まで、江戸の風俗が細やかに描かれる。
見どころは何より台詞の音楽性。下座音楽が情感を支え、与三郎の七五調の述懐とお富の受けの間が、世話物ならではのリアルで粋な呼吸を生む。
荒事ではなく世話物だが、初演の与三郎は八代目市川團十郎が勤めたとされ、市川宗家とも縁の深い演目である。2026年12月には歌舞伎座で十三代目が与三郎を勤める。
この演目についての團十郎本人の言葉は、収録と本人確認を経てここに掲載します。編集部が発言を創作・推測することはありません。
本ページは、歌舞伎について広く共有されている標準的な知識に基づき、D-13編集部が構成しています。初演年など細部に諸説ある事項は断定を避けています。