seri

セリ

せりthe stage elevator traps

INSTANT ANSWER一撃回答

舞台の床の一部を切り抜き、俳優や大道具(おおどうぐ)を載せて上下させる機構。上げるのを「せり上げ」、下げるのを「せり下げ」と呼ぶ。

セリは、舞台の床の一部を切り抜き、俳優や大道具を載せたまま上下させる舞台機構である。上げることを「せり上げ」、下げることを「せり下げ」と呼ぶとされる。廻り舞台(まわりぶたい)の中央には大道具ごと動かせる「大ゼリ」があり、建物の一階の場面から屋根の上の場面へ移るような、大胆な転換を可能にする。

客席寄りには俳優の出入りに使われる小ゼリもあり、地の底から現れるような登場そのものが見せ場になる。花道(はなみち)の七三に設けられた小型のセリは、特に「すっぽん」と呼ばれる。

セリの醍醐味をひと目で味わえる舞台として名高いのが、『楼門五三桐』の「山門」の場である。石川五右衛門が煙管を手に「絶景かな、絶景かな」と見得(みえ)を切る南禅寺の山門が、大ゼリによって楼閣ごとゆっくりとせり上がり、満開の桜と朱塗りの楼門が一幅の絵となって客席に迫る。

セリもまた、特定の家に属さない歌舞伎全体の共有機構である。十三代目團十郎(だんじゅうろう)が舞台を勤める歌舞伎座(かぶきざ)にも大小のセリが備わり、大道具とともに、場面が変わる瞬間の呼吸を支えている。

櫓劇場正面舞台奈落客席12345
  1. 1櫓 — 官許のしるし
  2. 2奈落 — 舞台と花道の床下
  3. 3セリ — 昇降の仕掛け
  4. 4すっぽん — 花道のセリ
  5. 5花道 — 客席を貫く道
横から見た断面のイメージ図です。実際の構造は劇場によって異なります。
SOURCES

出典・監修

執筆
KABUKI Universe編集部
監修
市川團十郎
公開日
2026年8月15日(土)
最終更新日
2026年9月9日(水)
監修済み

監修は、市川團十郎に趣旨と要点を確認いただいたことを示します。本文は編集部の文章であり、市川團十郎の発言ではありません。文責は編集部にあり、記述の誤りは編集部の責任で訂正します。 編集方針を読む