01SYNOPSIS
3行あらすじ
筋を知ってから観ても、歌舞伎は損をしません。まずは三行だけ。
- 01
伊達男・不破伴左衛門と名古屋山三は、一人の遊女をめぐって張り合う恋敵の間柄である。
- 02
廓の往来ですれ違った二人の刀の鞘が触れ合い、意地と意地がぶつかる「鞘当て」の争いが始まる。
- 03
元の台本は伝わらず、今日この場面は、鶴屋南北『浮世柄比翼稲妻』の一場「鞘当」として様式が受け継がれている。
02WHAT TO WATCH
初心者はここを観る
予備知識はこの三つで十分です。当日は、舞台に身をゆだねてください。
01
「鞘当て」のふるさと
恋敵同士の争いを指す「恋の鞘当て」という言葉は、この演目の趣向に由来するとされる。
02
伊達男の様式美
華やかな衣裳の二人が台詞を応酬し、様式化された所作で対峙する。江戸の「かぶく」美意識を色濃く残す一場である。
03
十八番最古の系譜
初代團十郎が延宝8年(1680)に初演したとされ、歌舞伎十八番の中でも最も古い系譜に属する。
03CHARACTERS
登場人物
- 不破伴左衛門
- 豪気な伊達男。名古屋山三と一人の遊女をめぐって争う。
- 名古屋山三
- 伴左衛門の恋敵。優美な色男として描かれる。
04STAGECRAFT
見どころ・舞台
初代市川團十郎が延宝8年(1680)の『遊女論』で初演したとされ、初代が生涯にわたり繰り返し勤めた当たり役と伝わる。元の台本は残らず、元禄10年(1697)の『大福帳参会名古屋』などを経て趣向が受け継がれた。
今日では、四代目鶴屋南北『浮世柄比翼稲妻』の一場を独立させた「鞘当」として上演されることが多く、様式化された対峙の美しさが眼目となる。元の『不破』そのものの上演はまれである。
05NARITAYA
市川家との関係
歌舞伎十八番
歌舞伎十八番の一つ。初代市川團十郎が初演したとされる、市川宗家の芸の源流に連なる演目である。
出典・参照
- 執筆
- KABUKI Universe編集部
- 監修
- 市川團十郎
- 公開日
- 2026年8月15日(土)
- 最終更新日
- 2026年9月9日(水)
監修済み編集部執筆
監修は、市川團十郎に趣旨と要点を確認いただいたことを示します。本文は編集部の文章であり、市川團十郎の発言ではありません。文責は編集部にあり、記述の誤りは編集部の責任で訂正します。 編集方針を読む