歌舞伎D-13

danmari

だんまり

だんまりthe stylized pantomime in darkness

INSTANT ANSWER一撃回答

暗闇の中、登場人物たちが無言で互いを探り合う様子を様式化した場面。観客にはすべてが見えるという約束事の上に成り立つ。

だんまりは、漢字で「暗闘」とも書き、人気のない山中や川端を舞台に、主だった登場人物たちが暗闇の中を手探りで動き、宝物などを無言で探り合い奪い合うさまを様式化した場面である。ゆったりとした舞踊的な動きと独特の下座音楽が特色で、舞台は明るいまま、観客だけがすべてを見渡せるという約束事の上に成り立っている。

安永年間(1772〜81)に江戸の顔見世興行で始められたと伝わり、一座の役者の顔ぶれと扮装を一度に見せる、顔見世らしい華やかな趣向として育まれた。物語の理屈よりも、絵画性と音楽性、そして役者の魅力そのものを味わう時間である。

だんまりには、大きく分けて時代だんまりと世話だんまりの二種があるとされる。深山の社頭などで宝物を無言で探り合う様式美の時代だんまりに対し、世話だんまりは殺し場や怪談の幕切れに組み込まれて芝居の空気を一変させるもので、『東海道四谷怪談』の場面などがその例に挙げられる。『宮島のだんまり』のように、独立した一幕として上演される演目もある。

特定の家の芸というより、江戸歌舞伎が育てた劇場全体の約束事の美学であり、闇を明るい舞台の上で「見せる」逆説にこそ、荒事と同じ江戸の劇場感覚が息づいている。

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SOURCES

出典・監修

執筆
D-13編集部
監修
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公開日
2026年8月15日(土)
最終更新日
2026年8月16日(日)