歌舞伎D-13

kokera-otoshi

こけら落とし

こけらおとしthe first performance in a new theatre

INSTANT ANSWER一撃回答

新築・改築した劇場で初めて行う興行。工事の最後に屋根などの木くず「杮」を払い落としたことに由来するとされる。

こけら落としは、新築または改築した劇場で初めて行う興行をいう。「杮(こけら)」は木材を削った際に出る薄い木片のことで、建築工事の最後に屋根などの木くずを払い落としたことから、完成後最初の催しをこう呼ぶようになったとされる。

今日では劇場に限らず、ホールや競技場など新しい施設の開場イベント全般にも使われる。新しい器に初めて芸が入る祝祭の感覚は、劇場文化が日本語に残した晴れやかな言葉のひとつといえる。

「杮(こけら)」の字には、ひとくち豆知識がある。果物の「柿(かき)」とほとんど同じ姿だが、「杮」は旁(つくり)の縦棒が上から下までひと続きになった別の字とされるのである。新聞やテレビの表記でもしばしば話題になる、書き分けの難しい一対といえる。

現代でのつかわれ方としては、「新アリーナのこけら落としは人気歌手のコンサートだった」「改修を終えた市民ホールのこけら落とし公演に足を運ぶ」のように使われる。器の完成を芸で祝うという発想が、劇場の外へも広がった言葉である。

こけら落としは、劇場の歴史の節目を告げる歌舞伎全体の言葉である。江戸以来、劇場は焼失と再建を繰り返してきたが、そのたびのこけら落としが芝居の歴史を新たな器へと受け渡してきた。市川團十郎家の舞台もまた、そうして更新されてきた劇場とともに歩んできた。

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