makugire
幕切れ
まくぎれthe fall of the curtain—and the way things end
INSTANT ANSWER一撃回答
一幕が終わって幕が閉まること、またその場面。転じて、物事の結末や終わり方を指す日常語として使われる。
幕切れは、一幕の芝居が終わって幕が閉まること、またその場面をいう。歌舞伎の幕切れは単なる終わりではなく、見得が決まり、柝(き)が打たれ、幕が引かれるまでのすべてが計算された見せ場であり、演目ごとに練り上げられた演出が受け継がれている。
日常語では「あっけない幕切れ」「劇的な幕切れ」のように、物事の結末や終わり方を指す。終わり方にこそその出来事の性格が表れる、という感覚を含んだ言い回しで、芝居の幕切れが持つ余韻の感覚を引き継いでいる。
幕切れの妙をもう一段深く味わえるのが、『勧進帳』の結びである。幕が引かれたあとも弁慶ひとりが幕の外に残り、花道を飛び六方で引っ込んでいく——幕切れの先にさらに見せ場を置くこの「幕外(まくそと)」の演出は、終わり方そのものを芸に高めた歌舞伎ならではの趣向として知られる。
現代でのつかわれ方としては、「長い交渉は握手ひとつの静かな幕切れとなった」「騒動は意外な幕切れを迎えた」のように使われる。出来事の締めくくりを一枚の幕の閉まる姿に重ねるこの言い回しは、日本語が今も劇場の呼吸で物事を語っている証しといえる。
幕切れは芝居の進行に関わる歌舞伎全体の言葉である。柝の音とともに引き幕が走る一瞬の呼吸は、演目と役者を問わず歌舞伎の舞台に共通する美意識であり、市川宗家の舞台の幕切れもまたその伝統の上にある。
この語を読んだら、次はこれ
同じ舞台の上でつながっている言葉です。ひとつ知ると、もうひとつが分かりやすくなります。
出典・監修
- 執筆
- KABUKI Universe編集部
- 監修
- 市川團十郎
- 公開日
- 2026年8月16日(日)
- 最終更新日
- 2026年9月9日(水)
監修は、市川團十郎に趣旨と要点を確認いただいたことを示します。本文は編集部の文章であり、市川團十郎の発言ではありません。文責は編集部にあり、記述の誤りは編集部の責任で訂正します。 編集方針を読む