ki / hyōshigi

柝

き(ひょうしぎ)the wooden clappers that govern the performance

INSTANT ANSWER一撃回答

四角く削った二本の木を打ち合わせて鳴らす音具。一般には拍子木と呼ばれ、幕明きや幕切れ(まくぎれ)など芝居全体の進行を司る。

柝は、四角く削った二本の木を打ち合わせて鳴らす音具で、一般には拍子木と呼ばれる。打つのは狂言作者と呼ばれる人々で、観客からは見えない場所で打ち、自前の柝を日頃から手入れして良い音を保つとされる。

その音は、開演や舞台の準備が整ったことを告げる「知らせ」、セリの上下や廻り舞台(まわりぶたい)の回転の合図となる「キッカケ」、幕が閉まったあとに次の幕への緊張をつなぐ「ツナギ」と、劇場の時間全体を司る。舞台上手で役者の動きを強調するツケとは、同じ木の音でも役割が異なる。

二本の木を打ち合わせるこの音具は、劇場の外でも長く暮らしの中にあった。「火の用心」の夜回りが打ち鳴らすのも、大相撲で呼出しが打つのも、紙芝居屋が子どもを集めたのも、同じ拍子木である。人の耳目を集め、時の区切りを告げる音として、柝の響きは日本の生活文化に広く根を下ろしている。

柝は特定の家に属さない、劇場全体の時間を司る歌舞伎の言葉である。開幕の柝に始まり、幕切れの柝に終わる——十三代目團十郎(だんじゅうろう)が勤める舞台もまた、この一打に始まり、この一打で結ばれる。

SOUND

音で聴く

※ 本物の附け打ち・柝の録音ではありません。木を打つ音を、お使いのブラウザがその場で合成しています。音源ファイルは読み込みません。

SOURCES

出典・監修

執筆
KABUKI Universe編集部
監修
市川團十郎
公開日
2026年8月15日(土)
最終更新日
2026年9月9日(水)
監修済み

監修は、市川團十郎に趣旨と要点を確認いただいたことを示します。本文は編集部の文章であり、市川團十郎の発言ではありません。文責は編集部にあり、記述の誤りは編集部の責任で訂正します。 編集方針を読む