shakkyōmono

石橋物

しゃっきょうものthe lion-dance pieces derived from the noh play Shakkyō

INSTANT ANSWER一撃回答

能『石橋』に取材し、獅子の精が長い毛を振って勇壮に舞う舞踊作品の総称。『鏡獅子』『連獅子』などの大曲が連なる。

石橋物(しゃっきょうもの)は、文殊菩薩の霊地に懸かる石橋を舞台とする能『石橋』に取材した、舞踊作品の総称である。獅子の精が牡丹に戯れ、長い毛を勇壮に振って舞う姿を最大の見せ場とする。

歌舞伎では古くからさまざまな石橋物が作られ、幕末から明治にかけて『連獅子』『鏡獅子』といった大曲が生まれた。可憐な前段から一転して獅子の精が現れる、その変化の妙が醍醐味である。

石橋物の醍醐味を凝縮した演目が『連獅子』である。親獅子が我が子を千尋の谷へ蹴落とし、這い上がった子だけを育てるという故事を舞踊化したもので、前半は親子の情愛、後半は白と赤の獅子が長い毛を振り合う豪快な舞を見せる。実の親子の俳優で演じられることも多く、芸の継承そのものが舞台の上に重なって見える。

石橋物の代表作『春興鏡獅子』は、明治26年(1893年)に九代目市川團十郎(いちかわ だんじゅうろう)が初演したとされ、新歌舞伎(しんかぶき)十八番(じゅうはちばん(おはこ))に数えられる。獅子舞の系譜にも、市川宗家(いちかわそうけ)の工夫が刻まれている。

SOURCES

出典・監修

執筆
KABUKI Universe編集部
監修
市川團十郎
公開日
2026年8月15日(土)
最終更新日
2026年9月9日(水)
監修済み

監修は、市川團十郎に趣旨と要点を確認いただいたことを示します。本文は編集部の文章であり、市川團十郎の発言ではありません。文責は編集部にあり、記述の誤りは編集部の責任で訂正します。 編集方針を読む