Aotozōshi Hana no Nishikie

青砥稿花紅彩画

あおとぞうしはなのにしきえ英語名: The Five Thieves (Aotozōshi Hana no Nishikie)

別表記: Shiranami Gonin Otoko / Aotozoshi Hana no Nishikie

01SYNOPSIS

3行あらすじ

筋を知ってから観ても、歌舞伎は損をしません。まずは三行だけ。

  1. 01

    日本駄右衛門を頭に、弁天小僧菊之助・忠信利平・赤星十三郎・南郷力丸——五人の盗賊が江戸を荒らしまわる。

  2. 02

    弁天小僧は武家の娘に化けて呉服屋・浜松屋へ乗り込むが、腕の彫物から正体が露見する。

  3. 03

    追い詰められた五人は稲瀬川に勢揃いし、番傘を手に一人ずつ名乗りを上げて散ってゆく。

02WHAT TO WATCH

初心者はここを観る

予備知識はこの三つで十分です。当日は、舞台に身をゆだねてください。

01

「知らざあ言って聞かせやしょう」

正体を見破られた弁天小僧が、肌を脱いで彫物を見せ、名乗りを上げる。声も所作も、娘から男へ一瞬で変わる。

02

稲瀬川の勢揃い

揃いの衣裳に番傘を差した五人が横一列に並び、順に名乗る。錦絵がそのまま動き出したような一幕。

03

白浪物の華

盗賊を主人公に据え、悪の側の美しさを堂々と見せる。幕末の江戸が生んだ、あでやかな価値の転倒。

03CHARACTERS

登場人物

弁天小僧菊之助
娘姿から男へ転じる若い盗賊。女方と立役の両方を一つの役で見せる、歌舞伎屈指の当たり役。
日本駄右衛門
五人の頭。堂々たる貫禄で一座をまとめる、大きさを求められる役。
南郷力丸
浜松屋で弁天小僧の供の侍を装う相棒。ふてぶてしい味が身上の役。
04STAGECRAFT

見どころ・舞台

二代目河竹新七(河竹黙阿弥)の作で、文久2年(1862)に江戸・市村座で初演されたとされる。通称『白浪五人男』。『三人吉三』と並ぶ白浪物の代表作である。

見どころは、七五調の名乗りが連なる台詞の音楽性と、絵のように決まる並びの美しさ。物語を追うより、台詞の調子と姿の決まりを味わう演目である。

関連用語

出典・参照

本ページは、歌舞伎について広く共有されている標準的な知識に基づき、D-13編集部が構成しています。初演年など細部に諸説ある事項は断定を避けています。

執筆
D-13編集部
公開日
2026年8月15日(土)
最終更新日
2026年8月15日(土)