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世話物

せわものplays of everyday townspeople's life

INSTANT ANSWER一撃回答

江戸時代の庶民の暮らしや市井の事件を描く演目の総称。恋と義理に揺れる等身大の人間を、身近な言葉と風俗で写し取る。

世話物(せわもの)は、江戸時代の庶民にとって同時代の話題——市井の事件や風俗を扱った演目の総称である。武家や公家の世界を描く時代物(じだいもの)に対する言葉で、恋と義理の板挟み、金の苦労といった等身大の人間模様を、当時の暮らしそのままの言葉と姿で描き出す。中でも写実的な演出の濃いものは生世話物(きぜわもの)と呼ばれる。

世話物の名台詞としてまず挙がるのが、『與話情浮名横櫛(よわなさけうきなのよこぐし)』源氏店の場、三年ぶりにお富と再会した与三郎の「しがねえ恋の情けが仇」で始まる長台詞である。七五調の心地よい調子に恨みと未練が乗る屈指の聞かせどころで、昭和の流行歌「お富さん」の下敷きになったとされるほど、世代を超えて親しまれてきた。

世話物の魅力は、様式の中に息づくなまなましい人間のリアルにある。市川團十郎(いちかわ だんじゅうろう)家も荒事(あらごと)一色ではなく、世話物の名作『與話情浮名横櫛』は初演の与三郎を八代目團十郎(だんじゅうろう)が勤めたとされる、市川宗家(いちかわそうけ)と縁の深い演目である。2026年12月には歌舞伎座(かぶきざ)で十三代目が与三郎を勤める。

SOURCES

出典・監修

執筆
KABUKI Universe編集部
監修
市川團十郎
公開日
2026年8月15日(土)
最終更新日
2026年9月9日(水)
監修済み

監修は、市川團十郎に趣旨と要点を確認いただいたことを示します。本文は編集部の文章であり、市川團十郎の発言ではありません。文責は編集部にあり、記述の誤りは編集部の責任で訂正します。 編集方針を読む