sewamono
世話物
せわものplays of everyday townspeople's life
INSTANT ANSWER一撃回答
江戸時代の庶民の暮らしや市井の事件を描く演目の総称。恋と義理に揺れる等身大の人間を、身近な言葉と風俗で写し取る。
世話物は、江戸時代の庶民にとって同時代の話題——市井の事件や風俗を扱った演目の総称である。武家や公家の世界を描く時代物に対する言葉で、恋と義理の板挟み、金の苦労といった等身大の人間模様を、当時の暮らしそのままの言葉と姿で描き出す。中でも写実的な演出の濃いものは生世話物と呼ばれる。
世話物の名台詞としてまず挙がるのが、『與話情浮名横櫛』源氏店の場、三年ぶりにお富と再会した与三郎の「しがねえ恋の情けが仇」で始まる長台詞である。七五調の心地よい調子に恨みと未練が乗る屈指の聞かせどころで、昭和の流行歌「お富さん」の下敷きになったとされるほど、世代を超えて親しまれてきた。
世話物の魅力は、様式の中に息づくなまなましい人間のリアルにある。市川團十郎家も荒事一色ではなく、世話物の名作『與話情浮名横櫛』は初演の与三郎を八代目團十郎が勤めたとされる、市川宗家と縁の深い演目である。2026年12月には歌舞伎座で十三代目が与三郎を勤める。
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この用語が分かる演目
- Yowa Nasake Ukina no Yokogushi與話情浮名横櫛江戸の大店の若旦那・与三郎は、木更津の浜で美しいお富と出会い、ひと目で恋に落ちる。演目を見る
- Tōkaidō Yotsuya Kaidan東海道四谷怪談浪人・民谷伊右衛門は、妻お岩を疎み、出世のために隣家の孫娘との縁組を選ぶ。演目を見る
- Sannin Kichisa Tomoe no Shiranami三人吉三巴白浪娘姿のお嬢吉三、浪人のお坊吉三、元僧侶の和尚吉三——同じ名を持つ三人の盗賊が、大川端で出会う。演目を見る
- Aotozōshi Hana no Nishikie青砥稿花紅彩画日本駄右衛門を頭に、弁天小僧菊之助・忠信利平・赤星十三郎・南郷力丸——五人の盗賊が江戸を荒らしまわる。演目を見る
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SOURCES
出典・監修
- 執筆
- KABUKI Universe編集部
- 監修
- 市川團十郎
- 公開日
- 2026年8月15日(土)
- 最終更新日
- 2026年9月9日(水)
監修済み
監修は、市川團十郎に趣旨と要点を確認いただいたことを示します。本文は編集部の文章であり、市川團十郎の発言ではありません。文責は編集部にあり、記述の誤りは編集部の責任で訂正します。 編集方針を読む