katsura

鬘

かつらkabuki wigs and their coded hairstyles

INSTANT ANSWER一撃回答

役の身分や年齢、職業を髪型で示す歌舞伎の鬘。江戸時代の髪型の決まりを土台に、役柄ごとの型が細かく定められている。

江戸時代の人々の髪型は、身分や年齢、職業によってある程度決まっていたとされる。歌舞伎の鬘はその約束事を舞台に映したもので、役柄ごとに型が定式化されている。武家の女房には「片はずし」、姫には「吹輪」というように、髪型を見ただけで役の素性が伝わる仕組みである。

鬘は、鬘屋が銅の地金を俳優の頭に合わせて打ち、毛を通して土台を作り、床山(とこやま)が役に合わせて結い上げる分業で生まれる。現実の髪型を映すだけでなく、車鬢や燕手のように、歌舞伎ならではの誇張された様式も発達した。

車鬢の「車」は、車輪の輻(や)に由来するとされる。鬢の毛を数本の束に分け、油で固めて顔の外へ突き出させた形が、放射状に伸びる車輪の輻を思わせることからの命名で、束の数によって三本・五本・七本車鬢などと呼び分けられる。名前の付け方ひとつにも、誇張を楽しむ荒事(あらごと)の精神がのぞいている。

車鬢は荒事の主人公に用いられる型で、『暫』の鎌倉権五郎や、五本車鬢を用いる『景清(かげきよ)』に見ることができるとされる。市川宗家(いちかわそうけ)が育てた荒事の英雄たちの顔は、隈取(くまどり)とともに、この誇張された鬘によって完成する。

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  1. 台金(だいがね) — 薄い金属を役者の頭の形に打ち出す。鬘の土台
  2. 毛を通す — 台金に毛を通す。人毛が中心で、ヤクの毛なども併用されるとされる
  3. 結い上げ — 床山が役の身分・年齢に合わせて髷を結う。公演中は毎日結い直す
鬘(かつら)は、被り物ではなく「役の頭」そのもの。作る鬘師と、結い上げて毎日手入れする床山の分業で支えられています。図は工程を簡略化したものです。
SOURCES

出典・監修

執筆
KABUKI Universe編集部
監修
市川團十郎
公開日
2026年8月15日(土)
最終更新日
2026年9月9日(水)
監修済み

監修は、市川團十郎に趣旨と要点を確認いただいたことを示します。本文は編集部の文章であり、市川團十郎の発言ではありません。文責は編集部にあり、記述の誤りは編集部の責任で訂正します。 編集方針を読む