tokoyama

床山

とこやまthe wig dressers of kabuki

INSTANT ANSWER一撃回答

俳優の鬘を役に合わせて結い上げ、日々の手入れから楽屋(がくや)での掛け外しまでを担う職人。鬘に命を吹き込む、頭の専門家である。

床山(とこやま)は、歌舞伎の鬘を役に合わせて結い上げ、日々の手入れと楽屋での掛け外しまでを受け持つ職人である。歌舞伎の鬘作りは分業になっており、鬘屋(鬘師)が銅板を俳優の頭に合わせて打った地金に毛を通すところまでを仕上げ、床山がそれを役柄ごとの髪型に結い上げるとされる。

髪型には役柄ごとの決まりがある一方、俳優の意見を取り入れてその都度工夫が加えられるとされる。楽屋では鬘を「あたま」と呼び、「かぶる」ではなく「掛ける」と言い習わすことが多いという。毎日、幕が開く前に鬘を整えるその手は、役の顔の半分を作っている。

「床山」という言葉は、歌舞伎の外でも生きている。大相撲で力士の髷を結う職人もまた床山と呼ばれ、各相撲部屋に所属して関取の大銀杏を日々結い上げる。「床」の字を冠した床山名を名乗る習わしがあるとされ、髪を扱う専門職の名として、舞台と土俵の両方で受け継がれている。

市川宗家(いちかわそうけ)の荒事(あらごと)を象徴する鬘——『暫』の鎌倉権五郎や『景清(かげきよ)』に見られる、鬢を大きく張り出した車鬢——もまた、床山の手によって整えられて毎日の舞台に上がる。誇張の美を支えているのは、こうした裏方の細やかな技である。

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  1. 台金(だいがね) — 薄い金属を役者の頭の形に打ち出す。鬘の土台
  2. 毛を通す — 台金に毛を通す。人毛が中心で、ヤクの毛なども併用されるとされる
  3. 結い上げ — 床山が役の身分・年齢に合わせて髷を結う。公演中は毎日結い直す
鬘(かつら)は、被り物ではなく「役の頭」そのもの。作る鬘師と、結い上げて毎日手入れする床山の分業で支えられています。図は工程を簡略化したものです。
SOURCES

出典・監修

執筆
KABUKI Universe編集部
監修
市川團十郎
公開日
2026年8月15日(土)
最終更新日
2026年9月9日(水)
監修済み

監修は、市川團十郎に趣旨と要点を確認いただいたことを示します。本文は編集部の文章であり、市川團十郎の発言ではありません。文責は編集部にあり、記述の誤りは編集部の責任で訂正します。 編集方針を読む