sajiki

桟敷

さじきthe raised box seats flanking the auditorium

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客席の左右に一段高く設けられた特別席。古代の祭礼の見物台に由来するとされ、江戸の芝居小屋から今の歌舞伎座(かぶきざ)に受け継がれる。

桟敷(さじき)は、一般の見物席より一段高く、あるいは仕切って設けられた特別な観覧席をいう。語源は、高く組んだ仮設の見物台を指す古語「さずき」にあるとされ、平安時代には貴族が祭りを見物する席、中世には猿楽などの興行の高級席として定着し、江戸の芝居小屋へと受け継がれた。

江戸時代の桟敷は、芝居茶屋を通じて予約する上等の席だったとされ、飲食を楽しみながらの一日がかりの芝居見物の舞台であった。現在の歌舞伎座にも東西の桟敷席が受け継がれ、お茶や桟敷弁当の趣とともに、昔ながらの観劇の贅を今に伝えている。

桟敷から生まれた言葉に「天井桟敷」がある。劇場の最上階、舞台から最も遠い安価な席を指す言葉で、芝居好きの常連が集う席ともいわれ、映画の題名や劇団の名にも使われてきた。特等席の名が大衆席の代名詞にも転じたところに、言葉の歴史の面白さがある。

桟敷は劇場そのものに属する、歌舞伎全体の言葉である。花道(はなみち)を間近に見下ろすその席は、團十郎(だんじゅうろう)の舞台の息づかいをもっとも濃やかに味わえる場所の一つでもある。

河原崎座の内部を描いた芝居絵。舞台の左右に二階建ての桟敷席が連なり、詰めかけた見物客で埋め尽くされている
初代歌川豊国『芝居小屋(河原崎座)内部之図』寛政9年〜文化3年(1797〜1806)頃初代歌川豊国『河原崎座内部之図』ブルックリン美術館(パブリックドメイン, Wikimedia Commons)
SOURCES

出典・監修

執筆
KABUKI Universe編集部
監修
市川團十郎
公開日
2026年8月16日(日)
最終更新日
2026年9月9日(水)
監修済み

監修は、市川團十郎に趣旨と要点を確認いただいたことを示します。本文は編集部の文章であり、市川團十郎の発言ではありません。文責は編集部にあり、記述の誤りは編集部の責任で訂正します。 編集方針を読む