Oshimodoshi

押戻

おしもどし英語名: Oshimodoshi — Pushing Back the Spirit

別表記: 押戻 / 押戻し / Oshimodoshi

歌舞伎十八番成田屋
01SYNOPSIS

3行あらすじ

筋を知ってから観ても、歌舞伎は損をしません。まずは三行だけ。

  1. 01

    暴れる怨霊や妖怪を、青竹を手にした豪傑が花道(はなみち)で受け止め、本舞台へと押し戻す——「押戻(おしもどし)」は演目名であると同時に、役と演出の名でもある。

  2. 02

    独立した筋立てを持つ芝居ではなく、荒事(あらごと)の力が怨念を鎮めるという型そのものが眼目となる。

  3. 03

    現在では『京鹿子娘道成寺』の幕切れ(まくぎれ)などに登場することがあり、大詰(おおづめ)の舞台を一気に引き締める。

02WHAT TO WATCH

初心者はここを観る

予備知識はこの三つで十分です。当日は、舞台に身をゆだねてください。

01

花道の攻防

揚幕から現れた押戻しが、花道で怨霊と睨み合う。客席のただ中で繰り広げられる対決は、歌舞伎ならではの見せ場である。

02

青竹と扮装

隈取に力強い扮装、手には太い青竹。錦絵には蓑を着け、竹の子笠を手にした姿も描かれ、様式の記憶を今に伝えている。

03

鎮める力

押戻しの力は怨霊を斬り伏せるのではなく、押し戻して怒りを鎮める。荒事の力が「祓い」として働くところに、この型の本質がある。

03CHARACTERS

登場人物

押戻し(役名は演目により異なる)
青竹を手にした怪力の豪傑。怨霊・妖怪と対峙し、本舞台へ押し戻す。
04STAGECRAFT

見どころ・舞台

歌舞伎十八番に数えられるが、特定の台本を持つ作品名ではなく、役柄・演出の名称である。荒事の扮装の人物が花道で怨霊と向き合い、押し戻して怒りを鎮めることからこの名がある。

現行の上演では『京鹿子娘道成寺』の幕切れに登場する例が知られる。女方の舞踊が頂点に達したのちに現れる荒事の力は、対照の妙によって舞台をひときわ大きく見せる。

05NARITAYA

市川家との関係

歌舞伎十八番

歌舞伎十八番の一つ。荒事の力で怨念を鎮めるという市川宗家の芸の本質を、最も純粋なかたちで示す型である。

関連用語

出典・参照

執筆
KABUKI Universe編集部
監修
市川團十郎
公開日
2026年8月15日(土)
最終更新日
2026年9月9日(水)
監修済み編集部執筆

監修は、市川團十郎に趣旨と要点を確認いただいたことを示します。本文は編集部の文章であり、市川團十郎の発言ではありません。文責は編集部にあり、記述の誤りは編集部の責任で訂正します。 編集方針を読む