Q&A
衣裳・化粧・鬘
歌舞伎衣裳の手入れは、どのような周期で行われますか?
ANSWER答え
毎日の汗抜き・陰干しと、公演後のまとまった手入れの二層です。傷んだものは解いて洗い張りや仕立て直しを行うとされます。
KEY POINTS
ここだけ押さえる
- 手入れには二つの周期がある。毎日のものと、公演が終わってからのもの。
- 毎日の周期は、終演後に風を通し、汗の湿りを抜いて翌日に備えること。
- 公演がはねると衣裳は管理元へ戻り、状態に応じて解き洗い・染め直し・刺繍の補修が施される。
- 衣裳が何十年も舞台に立ち続けられるのは、この周期があるからである。
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興行の一か月
およそ一か月、同じ演目を毎日。休演日が入ることもあります。
観劇の一日
30分〜1時間半の演目が、食事のできる幕間を挟んで並びます。全部で3〜4時間ほど。
くわしく
一日二回の公演を勤めれば、衣裳が吸う汗は相当な量になる。しかも歌舞伎の衣裳は、重く、厚く、動きも激しい。放置すれば傷むのはもちろん、翌日に湿ったまま着ることになる。だから手入れは、日々の作業として組み込まれている。
毎日の周期はこうである。終演後、衣裳を脱いだらすぐに風を通す。陰干しにして、汗の湿りを抜く。翌日の開演までに乾いた状態に戻すことが目的である。洗える肌側の層は洗濯に回し、替えを用意する。半襟のように化粧で汚れる部分は付け替える。この一連が毎日繰り返される。
そして公演がはねると、もう一つの周期に入る。衣裳は管理元の会社へ戻り、状態を検分される。傷んだものは解いて洗い張りをする。色が褪せたものは染め直す。刺繍がほつれていれば補修する。仕立て直しが必要なら直す。そのうえで、次の上演まで倉庫で保管される。次に舞台に出るのは、数年後かもしれない。こうして手をかけ続けることで、衣裳は何十年も現役でいられる。何代もの俳優が同じ衣裳に袖を通すことがあるのも、この周期が機能しているからである。舞台の上の一瞬の輝きは、その背後にある地味な反復に支えられている。
この回答に出てきた言葉
- 洗い張り
- 着物を解いて反物の状態に戻し、洗って張り直す和服の手入れ法。
- 陰干し
- 直射日光を避けて干すこと。色褪せを防ぎながら湿りを抜く。
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SOURCES
出典・記載の方針
本項は、歌舞伎について広く共有されている基礎的な知識に基づく編集部の回答です。慣行として伝えられる事項は「とされる」と記し、断定を避けています。
- 執筆
- D-13編集部
- 公開日
- 2026年8月25日(火)
- 最終更新日
- 2026年8月25日(火)