Q&A

衣裳・化粧・鬘

歌舞伎のかつらの髪の毛には、人毛が使われているのですか?

ANSWER答え

使われています。銅などの薄い金属の台金に毛を通したものが基本で、人毛を主に、ヤクの毛などを併用するとされます。

KEY POINTS

ここだけ押さえる

  • 鬘は、俳優の頭の形に合わせて打ち出した薄い金属の台金に、毛を通して作る。
  • 髪は人毛が中心。質感や強度が要る部分にはヤクの毛などが使われるとされる。
  • 鬘を作る「鬘師」と、役ごとに結い上げて公演中も手入れする「床山(とこやま)」の分業で支えられている。
  • 同じ鬘でも結い方ひとつで役の身分や性格が変わる。鬘は被り物ではなく「役の頭」である。
図で見る

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  1. 台金(だいがね)薄い金属を役者の頭の形に打ち出す。鬘の土台
  2. 毛を通す台金に毛を通す。人毛が中心で、ヤクの毛なども併用されるとされる
  3. 結い上げ床山が役の身分・年齢に合わせて髷を結う。公演中は毎日結い直す
鬘(かつら)は、被り物ではなく「役の頭」そのもの。作る鬘師と、結い上げて毎日手入れする床山の分業で支えられています。図は工程を簡略化したものです。

「鬘」をくわしく

くわしく

歌舞伎の鬘の作りは、洋装のウィッグとはかなり違う。まず土台になるのが台金(だいがね)である。銅などの薄い金属板を、俳優一人ひとりの頭の形に合わせて打ち出したもので、これが鬘の骨格になる。金属を使うのは、髷(まげ)の重さや、激しい動きに耐えるためである。この台金に、毛を一本ずつ通していく。この工程を、職人は「毛を通す」と言う。

その髪は人毛が中心である。理由は単純で、結い上げて形を保たせる必要があるからである。歌舞伎の鬘は、役ごとに髷を結い直し、公演中も毎日手入れされる。合成繊維では、この繰り返しに耐えられない。質感や強度が特に要る部分には、ヤクの毛などを併用するとされる。ヤクの毛は人毛より張りがあり、長さも出るため、獅子の毛のような特殊な用途にも使われる。

この仕事は二つの職分に分かれている。台金づくりから毛を通すところまで、鬘そのものを作るのが鬘師(かつらし)。できあがった鬘を役ごとに結い上げ、公演中は毎日崩れを直し、汗を抜いて手入れするのが床山(とこやま)(とこやま)である。そして重要なのは、同じ鬘でも結い方ひとつで役の身分や性格ががらりと変わることである。町人か武士か、若い娘か年増か、堅気か遊女か——それが髷の形で示される。鬘は単なる被り物ではなく、「役の頭」そのものだと言われるのは、このためである。

この回答に出てきた言葉

台金
鬘の土台になる薄い金属板。俳優の頭の形に合わせて打ち出す。
結い上げた髪の形。身分・年齢・職業がここに表れる。
鬘師
鬘そのものを作る職人。台金づくりから毛を通すところまでを担う。
SOURCES

出典・記載の方針

執筆
D-13編集部
公開日
2026年8月25日(火)
最終更新日
2026年8月25日(火)