Q&A

衣裳・化粧・鬘

歌舞伎のかつらを作る職人さんは、どれぐらいいらっしゃるのでしょうか?

ANSWER答え

公表された統計は見当たりません。鬘を作る鬘師と、結い上げる床山(とこやま)の分業を、少数の専門業者と職人が支えているとされます。

KEY POINTS

ここだけ押さえる

  • 携わる人数の公的な統計は確認できない。正確な数を示すことはできない。
  • 技は東京・関西の少数の専門業者に集約されているとされる。
  • 一人前になるまで長い修業を要する世界で、担い手の希少さは継承の課題でもある。
  • 伝統歌舞伎保存会などによる養成の取り組みが続けられているとされる。
図で見る

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  1. 台金(だいがね)薄い金属を役者の頭の形に打ち出す。鬘の土台
  2. 毛を通す台金に毛を通す。人毛が中心で、ヤクの毛なども併用されるとされる
  3. 結い上げ床山が役の身分・年齢に合わせて髷を結う。公演中は毎日結い直す
鬘(かつら)は、被り物ではなく「役の頭」そのもの。作る鬘師と、結い上げて毎日手入れする床山の分業で支えられています。図は工程を簡略化したものです。

「鬘」をくわしく

くわしく

正直に書くと、この問いに数字で答えることはできない。携わる人数の公的な統計を確認できないからである。ただし、なぜ確認できないのかを考えると、この仕事の性格が見えてくる。

まず、仕事が二つに分かれている。台金づくりから毛を通すところまでを行う鬘師(かつらし)と、役に合わせて結い上げ、公演中の手入れを受け持つ床山(とこやま)である。どちらも歌舞伎の外にはほとんど需要がなく、市場そのものが小さい。結果として、技は東京と関西の少数の専門業者に集約されているとされる。会社の数え方でいえばごく限られており、その中で職人が育っていく形になる。

一人前になるまでには長い修業が要る。台金を俳優の頭に合わせて打ち出す作業ひとつ取っても、頭の形は人によって違い、しかも合わなければ舞台に立てない。毛を通す手数も膨大である。床山のほうも、演目ごと役ごとの髷の形を覚え、公演中は毎日崩れを直しながら千穐楽(せんしゅうらく)まで持たせる。この技術は文字では渡らず、現場で身につけるしかない。だから確かな数を言えないことは、この仕事の希少さの裏返しでもある。担い手の育成は歌舞伎の継承そのものと直結しており、伝統歌舞伎保存会などによる養成の取り組みが続けられているとされる。

この回答に出てきた言葉

床山
鬘を役ごとに結い上げ、公演中の手入れを担う職人。
伝統歌舞伎保存会
歌舞伎の伝承を支える団体。俳優や裏方の技術の継承に関わっている。
SOURCES

出典・記載の方針

本項は、歌舞伎について広く共有されている基礎的な知識に基づく編集部の回答です。慣行として伝えられる事項は「とされる」と記し、断定を避けています。

執筆
D-13編集部
公開日
2026年8月25日(火)
最終更新日
2026年8月25日(火)