kumadori no iro

隈取の色

くまどりのいろthe colour code of kumadori makeup

INSTANT ANSWER一撃回答

隈取(くまどり)は色が役柄を語る。紅は正義や勇気、藍は敵役(かたきやく)や怨霊、茶は鬼や妖怪と、色を見れば人物の正体が分かる仕組みになっている。

隈取は、色そのものが役柄を語る化粧である。血の通いを思わせる紅の隈は、正義・勇気・若さ、そして超人的な力を示すとされる。『暫』の主人公が取る紅の筋隈は、その代表である。

対して藍隈は、冷たい血の色として、高位の敵役や怨霊など、人ならぬ力を帯びた存在に用いられるとされる。茶(代赭)の隈は、鬼や妖怪といった人間ではないものの不気味さを表す。幕が開いた瞬間、観客は色を見るだけで人物の正体を読み取ることができる。

舞台を勤め終えた役者の顔から、絹や布を押し当てて隈取を写し取ったものを「押隈(おしぐま)」という。ひと舞台にひとつしか取れない一期一会の記念であり、古くから贔屓への贈り物として珍重されてきた。役柄を語った色が、そのまま美術品として残るのである。

隈取は初代市川團十郎(いちかわ だんじゅうろう)が始めたとされ、荒事(あらごと)とともに市川宗家(いちかわそうけ)の芸の核として磨かれてきた。紅と藍の対比がもっとも鮮やかに立ち上がるのも、『暫』をはじめとする歌舞伎十八番(じゅうはちばん(おはこ))の舞台である。

紅隈

正義・若さ・あふれる力

藍隈

悪・怨霊・冷たい力

茶隈

鬼や妖怪など、人ならざるもの

色を見れば、その役の性質が伝わる——隈取は歌舞伎の「顔の言葉」です。隈取には多くの種類があり、図の色はおよその色味です。隈取をくわしく →
SOURCES

出典・監修

執筆
KABUKI Universe編集部
監修
市川團十郎
公開日
2026年8月15日(土)
最終更新日
2026年9月9日(水)
監修済み

監修は、市川團十郎に趣旨と要点を確認いただいたことを示します。本文は編集部の文章であり、市川團十郎の発言ではありません。文責は編集部にあり、記述の誤りは編集部の責任で訂正します。 編集方針を読む