Q&A

演目・文化・歴史

外国人やフランス人でも、努力を重ねれば歌舞伎俳優になることができますか?

ANSWER答え

制度上閉ざされてはいません。門閥の外から入る道として国立劇場(こくりつげきじょう)の研修制度があり、外国出身者が歌舞伎の舞台に立った例もあるとされます。壁は国籍より、言葉と幼少からの身体訓練です。

KEY POINTS

ここだけ押さえる

  • 制度上、国籍を理由に閉ざされてはいない。
  • 門閥外から入る道として、国立劇場(こくりつげきじょう)の歌舞伎俳優研修が半世紀にわたり続いている。
  • 外国出身の演者が一門に入り、歌舞伎の舞台を勤めた例も伝えられている。
  • 実際の壁は国籍ではなく、古語の台詞と音曲、そして幼少から仕込む身体の型である。
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  1. 名跡代々受け継がれる「生きた名」
  2. 機が熟す芸の充実、先代の追善、興行の巡り合わせ
  3. 協議家と一門、松竹が時間をかけて調える
  4. 襲名披露興行家の大役を勤め抜く、事実上の審査
  5. 口上舞台上で新しい名を観客に披露する
襲名に試験や免状はありません。名を変えるのは一日ですが、名に適う芸を作るのは生涯の仕事です。

「名跡」をくわしく

くわしく

まず制度の話をすると、歌舞伎俳優になる道は国籍によって閉ざされてはいない。歌舞伎俳優の多くは家に生まれるが、それが唯一の道というわけでもない。国立劇場が実施している歌舞伎俳優研修は、門閥の外から俳優を育てるための制度として半世紀にわたり続いており、修了生が舞台を支えている。この研修は、家に生まれなかった人のための公的な入口として機能してきた。

外国出身の演者が一門に入り、歌舞伎の舞台を勤めた例も伝えられている。つまり、国籍そのものが資格を奪うわけではない。この点は、はっきりさせておきたい。

そのうえで、現実の壁がどこにあるかも正直に書いておきたい。ひとつは言葉である。歌舞伎の台詞は現代日本語ではなく、七五調の律動を持つ古語であり、義太夫(ぎだゆう)長唄(ながうた)といった音曲と掛け合いながら進む。これを体得するには、日本語の母語話者であっても長い訓練が要る。もうひとつは身体である。歌舞伎の型は、多くの場合、骨格が固まる前の幼少期から仕込まれる。後から始める場合、その差を埋める作業は生半可ではない。ただし——これは日本生まれの俳優にとっても同じ条件である。「努力を重ねれば」の中身が非常に重いというだけで、道そのものは閉ざされていない。

この回答に出てきた言葉

名題下
名題(なだい)より下の俳優の階級。舞台の多くの役を支える層にあたる。
歌舞伎俳優研修
国立劇場(こくりつげきじょう)が実施する研修制度。門閥の外から歌舞伎俳優を育てる公的な入口。
SOURCES

出典・記載の方針

本項は、歌舞伎について広く共有されている基礎的な知識に基づく編集部の回答です。慣行として伝えられる事項は「とされる」と記し、断定を避けています。

執筆
D-13編集部
公開日
2026年8月25日(火)
最終更新日
2026年8月25日(火)