Q&A

制作・稽古・興行

歌舞伎の配役にオーディションはありますか?

ANSWER答え

原則ありません。配役は興行会社と幹部俳優の協議、一門や家の芸との縁で決まるとされます。新作や外部演出の企画には例外もあります。

KEY POINTS

ここだけ押さえる

  • 公募のオーディションは基本的に行われない。配役は協議で決まっていく。
  • 家の芸の演目はその家の俳優が中心になり、若手はその座組の中で役を貰いながら育つ。
  • 新作や外部の演出家が入る企画では、より広い座組が組まれることもある。
  • 門閥の外から入る道としては、国立劇場(こくりつげきじょう)の歌舞伎俳優研修が知られている。
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歌舞伎十八番

  • 不破
  • 鳴神
  • 不動
  • 象引
  • 勧進帳
  • 助六
  • 外郎売
  • 押戻
  • 矢の根
  • 関羽
  • 景清
  • 七つ面
  • 毛抜
  • 解脱
  • 蛇柳
  • 鎌髭

今日ごく普通に上演される上演の機会が限られる

七代目市川團十郎が天保年間に選定したとされる十八の演目。選定の時点で既に上演の絶えていたものも含まれており、以後の復活上演で少しずつ舞台に戻されてきました。完成品の棚ではなく、掘り起こしが続く鉱脈です。上演の多寡は時期によっても変わります。

「お家芸」をくわしく

くわしく

映画や現代演劇に慣れた目には不思議に見えるところだが、歌舞伎では演目と「誰の芸か」が分かちがたく結びついている。『勧進帳(かんじんちょう)』の弁慶といえば、どの家がどう伝えてきた弁慶なのかが問われる。役が先にあって人を探すのではなく、その型を継いでいる人がいて、そこに演目が立ち上がる——という順序に近い。だから公募のオーディションという形は、そもそも仕組みに合わない。

実際の配役は、興行会社である松竹と、座頭(ざがしら)級の幹部俳優との協議で固まっていくとされる。その月の座組の顔ぶれ、家の芸の演目をどう組み込むか、誰にどの役を預けて次の段階へ進ませるか——こうした判断が重なって番組ができる。若手にとっては、この座組の中で役を貰うことが稽古そのものであり、少しずつ重い役へ移っていくことが成長の記録になる。近代的な配役制度と違って見えるが、これは芸を渡していく仕組みそのものだと言ってよい。

ただし例外もある。新作歌舞伎や、外部の演出家が入る企画では、より広い座組が組まれることがあり、通常の枠を越えた顔合わせが生まれる。また、家に生まれなかった人が歌舞伎俳優になる道が閉ざされているわけでもない。国立劇場(こくりつげきじょう)が行っている歌舞伎俳優研修は、門閥の外から歌舞伎の世界に入る公的な入口として知られており、ここを経て舞台に立つ俳優がいる。

この回答に出てきた言葉

一門
ひとりの俳優を中心とする師弟・血縁の集まり。芸の伝わる単位になる。
番組
その月に上演する演目と、その並び順のこと。座組と一緒に決まっていく。
SOURCES

出典・記載の方針

本項は、歌舞伎について広く共有されている基礎的な知識に基づく編集部の回答です。慣行として伝えられる事項は「とされる」と記し、断定を避けています。

執筆
D-13編集部
公開日
2026年8月25日(火)
最終更新日
2026年8月25日(火)