kaidan-mono

怪談物

かいだんものkabuki's ghost plays

INSTANT ANSWER一撃回答

幽霊や妖怪が登場する演目の総称。夏の狂言として親しまれ、鶴屋南北の『東海道四谷怪談(とうかいどうよつやかいだん)』が代表作とされる。

怪談物(かいだんもの)は、幽霊や妖怪が登場する歌舞伎狂言の総称である。暑い季節に涼を呼ぶ夏狂言の一ジャンルとして上演されてきたとされ、亡霊の恨みや因果の物語を、早替りや仕掛けを駆使したケレン味あふれる演出で見せるところに特色がある。

代表作とされるのが、四代目鶴屋南北の『東海道四谷怪談』である。文政8年(1825)に江戸の中村座で初演されたとされ、夫に裏切られて非業の死を遂げたお岩の怨念を、髪梳きや提灯から現れる亡霊など、名高い仕掛けの数々で描き出す。

『東海道四谷怪談』を上演する際には、出演者らが東京・四谷の於岩稲荷田宮神社など、お岩ゆかりの社寺に参拝する慣わしがあることで知られる。舞台の無事を祈り、お岩への敬意を表す芝居の世界の習慣で、怪談物という演目が、舞台の外でも畏れと祈りとともに大切に演じ継がれてきたことを物語っている。

その初演で、お岩の夫・民谷伊右衛門を勤めたのは七代目市川團十郎(いちかわ だんじゅうろう)とされる。怪談物という歌舞伎の劇の系譜の、その最初のページに市川團十郎(だんじゅうろう)の名が刻まれていることは、この家の芸の幅の広さを物語っている。

『東海道四谷怪談』で、殺された妻お岩の亡霊を勤める尾上松助。崩れた顔と乱れ髪で宙に浮かび上がる姿
初代歌川豊国『東海道四谷怪談 お岩の亡霊(尾上松助)』文化9年(1812)初代歌川豊国『東海道四谷怪談』メトロポリタン美術館(CC0 パブリックドメイン, Wikimedia Commons)
SOURCES

出典・監修

執筆
KABUKI Universe編集部
監修
市川團十郎
公開日
2026年8月16日(日)
最終更新日
2026年9月9日(水)
監修済み

監修は、市川團十郎に趣旨と要点を確認いただいたことを示します。本文は編集部の文章であり、市川團十郎の発言ではありません。文責は編集部にあり、記述の誤りは編集部の責任で訂正します。 編集方針を読む