keren

ケレン

けれんkabuki's spectacular stage tricks

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宙乗り(ちゅうのり)や早替りなど、観客の意表をつく奇抜な演出の総称。漢字では「外連」と書き、スピードとスリルを重んじる。

ケレンは、観客の意表をつくことを目的とした奇抜な演出の総称で、漢字では「外連」と書く。俳優を吊って舞台や客席の上空を飛ぶ「宙乗り」、瞬時に扮装を替えて別の役になる「早替り」、本物の水を舞台で使う「本水」などが代表的なものとされる。

ケレンは、刺激を求める観客の嗜好に応えて江戸後期に発達したとされ、『東海道四谷怪談(とうかいどうよつやかいだん)』のような怪談物(かいだんもの)の仕掛けにもその精神が息づいている。奇抜さを軽んじる文脈で使われた時代もあったが、今日では歌舞伎のエンターテインメント性を体現する演出として親しまれ、「けれん味」という言葉は日常語にもなっている。

ケレンは常に日の当たる存在だったわけではない。格式を重んじた明治の演劇改良運動の時代には邪道として退けられ、長く顧みられなかったとされる。それを昭和43年(1968)、国立劇場(こくりつげきじょう)『義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)』の宙乗りを皮切りに次々と復活させたのが三代目市川猿之助(いちかわ えんのすけ)(二代目市川猿翁)とされ、以後ケレンは、歌舞伎の魅力を語るのに欠かせない言葉として復権を果たした。

十三代目市川團十郎白猿は、海老蔵(えびぞう)時代から通し狂言(とおしきょうげん)『雷神不動(ふどう)北山櫻』を手がけ、鳴神(なるかみ)上人・粂寺弾正・早雲王子・安倍清行・不動明王(ふどうみょうおう)の五役を早替りで勤める上演を重ねてきた。ケレンの躍動は、荒事(あらごと)とともに市川宗家(いちかわそうけ)(成田屋(なりたや)・市川團十郎(いちかわ だんじゅうろう)家)の舞台の現在をかたちづくっている。

SOURCES

出典・監修

執筆
KABUKI Universe編集部
監修
市川團十郎
公開日
2026年8月16日(日)
最終更新日
2026年9月9日(水)
監修済み

監修は、市川團十郎に趣旨と要点を確認いただいたことを示します。本文は編集部の文章であり、市川團十郎の発言ではありません。文責は編集部にあり、記述の誤りは編集部の責任で訂正します。 編集方針を読む