tachimawari
立廻り
たちまわりkabuki's stylized fight scenes
INSTANT ANSWER一撃回答
戦いや捕物など闘争の場面を、下座音楽に乗せて様式化した集団演技。主役に大勢が絡み、要所で見得が決まる。
立廻りは、戦い・捕物・殺し・喧嘩といった闘争の場面を様式化した演技をいう。写実の格闘ではなく、下座音楽に乗せて舞踊のように美しく見せるのが眼目で、中心となる主役に、捕手や軍兵に扮した大勢の俳優が挑みかかる形が基本とされる。
立廻りには数多くの型があるとされ、その振付を「殺陣(たて)」と呼び、専門に工夫して俳優に教える「立師(たてし)」がいる。主役は要所要所で見得を決め、斬られ、投げられた側はトンボを返る。ツケの音が動きを際立たせ、劇の高揚をひとつの絵のように束ねていく。
立廻りは、日常の言葉にも入り込んでいる。派手な喧嘩や激しい争いを「大立ち回りを演じる」と言うのは、芝居の立廻りがそのまま日常語になったものである。舞台の上の様式化された闘いが、現実の争いを表す比喩に転じたところに、歌舞伎が暮らしの言葉に残した足跡の深さがうかがえる。
荒事を家の芸とする市川團十郎家の舞台でも、立廻りは大きな見どころである。歌舞伎十八番『暫』では、主人公が大太刀を手に大勢を相手にする豪快な場面が知られ、荒事の力強さと立廻りの様式美がひとつになっている。

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この用語が分かる演目
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この語を読んだら、次はこれ
同じ舞台の上でつながっている言葉です。ひとつ知ると、もうひとつが分かりやすくなります。
- トンボtonbo立廻りで斬られたり投げられたりした役が返る宙返り。「トンボを返る」といい、歌舞伎俳優の基本の身体技術とされる。読む
- 花四天hanayoten華やかな所作事や時代物の立廻りに出る捕手や軍兵の役、またその衣裳。花模様の四天をまとい、花枝や花槍を手にする。読む
- 見得mie感情と力が頂点に達した瞬間、役者が動きを止めて決める様式的なポーズ。ツケの音とともに、舞台が一枚の絵として完成する。読む
- ツケtsuke舞台の上手で木の板を打ち鳴らし、走る足音や見得の瞬間を強調する効果音。役者の呼吸と一体になり、場面を引き締める。読む
- 荒事aragoto初代市川團十郎が創始したとされる勇壮な演技様式。隈取や巨大な衣裳、大きな見得によって、人間を超えた力と正義を表現する。読む
SOURCES
出典・監修
- 執筆
- KABUKI Universe編集部
- 監修
- 市川團十郎
- 公開日
- 2026年8月16日(日)
- 最終更新日
- 2026年9月9日(水)
監修済み
監修は、市川團十郎に趣旨と要点を確認いただいたことを示します。本文は編集部の文章であり、市川團十郎の発言ではありません。文責は編集部にあり、記述の誤りは編集部の責任で訂正します。 編集方針を読む