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立廻り

たちまわりkabuki's stylized fight scenes

INSTANT ANSWER一撃回答

戦いや捕物など闘争の場面を、下座音楽に乗せて様式化した集団演技。主役に大勢が絡み、要所で見得(みえ)が決まる。

立廻り(たちまわり)は、戦い・捕物・殺し・喧嘩といった闘争の場面を様式化した演技をいう。写実の格闘ではなく、下座音楽に乗せて舞踊のように美しく見せるのが眼目で、中心となる主役に、捕手や軍兵に扮した大勢の俳優が挑みかかる形が基本とされる。

立廻りには数多くの型があるとされ、その振付を「殺陣(たて)」と呼び、専門に工夫して俳優に教える「立師(たてし)」がいる。主役は要所要所で見得を決め、斬られ、投げられた側はトンボを返る。ツケの音が動きを際立たせ、劇の高揚をひとつの絵のように束ねていく。

立廻りは、日常の言葉にも入り込んでいる。派手な喧嘩や激しい争いを「大立ち回りを演じる」と言うのは、芝居の立廻りがそのまま日常語になったものである。舞台の上の様式化された闘いが、現実の争いを表す比喩に転じたところに、歌舞伎が暮らしの言葉に残した足跡の深さがうかがえる。

荒事(あらごと)を家の芸とする市川團十郎(いちかわ だんじゅうろう)家の舞台でも、立廻りは大きな見どころである。歌舞伎十八番(じゅうはちばん(おはこ))『暫』では、主人公が大太刀を手に大勢を相手にする豪快な場面が知られ、荒事の力強さと立廻りの様式美がひとつになっている。

SOURCES

出典・監修

執筆
KABUKI Universe編集部
監修
市川團十郎
公開日
2026年8月16日(日)
最終更新日
2026年9月9日(水)
監修済み

監修は、市川團十郎に趣旨と要点を確認いただいたことを示します。本文は編集部の文章であり、市川團十郎の発言ではありません。文責は編集部にあり、記述の誤りは編集部の責任で訂正します。 編集方針を読む