Uwanari

嫐

うわなり英語名: Uwanari — Wife against Wife

別表記: 嫐 / Uwanari

歌舞伎十八番時代物成田屋
01SYNOPSIS

3行あらすじ

筋を知ってから観ても、歌舞伎は損をしません。まずは三行だけ。

  1. 01

    「嫐」の一字が示すのは、一人の男をめぐる二人の女の争い。本妻が後妻を襲う古い風習「うわなり打ち」を題材にするとされる。

  2. 02

    元禄12年(1699)、初代團十郎(だんじゅうろう)と幼い二代目の親子によって初演されたといわれ、二代目は怨霊に取りつかれた娘・呉竹を演じて評判をとったと伝わる。

  3. 03

    確立した台本は伝わらず、長く上演が途絶えていたが、昭和に入って復活上演が試みられてきた。

02WHAT TO WATCH

初心者はここを観る

予備知識はこの三つで十分です。当日は、舞台に身をゆだねてください。

01

一字の題名

女・男・女を組み合わせた「嫐」の字。題名そのものが物語を語る、歌舞伎十八番でも異色の演目である。

02

嫉妬と怨霊

女の嫉妬が怨霊となって現れる趣向を、荒事の家の芸として演じたとされる。

03

幻の演目

台本が残らないため、復活のたびに新たに作り直されてきた。上演そのものが貴重な、「幻」と呼ぶべき演目である。

03CHARACTERS

登場人物

甲賀三郎兼家
近年の復活上演における主人公の武士。二人の女の情念のはざまに立つ。
呉竹
怨霊に取りつかれる娘。初演では幼い二代目團十郎が勤めて評判をとったと伝わる。
04STAGECRAFT

見どころ・舞台

元禄12年(1699)の初演と伝わるが、確立した脚本は残っていない。天保年間に七代目團十郎が歌舞伎十八番を選定した時点で、すでに内容の詳細は分かりにくくなっていたとされる。

昭和61年(1986)には国立劇場で復活され、娘が実は愛妾、実は前妻という多層の正体を持つ女の役が眼目となった。嫉妬という情念を様式の力で描く試みは、今も続いている。

05NARITAYA

市川家との関係

歌舞伎十八番

歌舞伎十八番の一つ。初代と二代目の親子共演によって生まれたとされる、市川宗家の歴史の古層に属する演目である。

関連用語

出典・参照

執筆
KABUKI Universe編集部
監修
市川團十郎
公開日
2026年8月15日(土)
最終更新日
2026年9月9日(水)
監修済み編集部執筆

監修は、市川團十郎に趣旨と要点を確認いただいたことを示します。本文は編集部の文章であり、市川團十郎の発言ではありません。文責は編集部にあり、記述の誤りは編集部の責任で訂正します。 編集方針を読む