Q&A
衣裳・化粧・鬘
隈取に使う顔料の原料は何ですか?
ANSWER答え
かつては紅花から採る紅や墨などの天然顔料が使われ、今日では舞台用に調合された油性の化粧料が中心とされます。
KEY POINTS
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- 江戸期の紅は、紅花(べにばな)由来の紅が用いられたと伝えられる。
- 藍や墨とともに、天然の色材が化粧を支えていた。
- 現代では、発色と安全性を両立させた舞台用の練り化粧料が使われるとされる。
- 鬢付け油の下地の上に筆や指で描くという方法そのものは変わっていない。
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くわしく
隈取の色は、時代によって材料が変わってきた。江戸期には、紅花(べにばな)から採る紅が用いられたと伝えられる。紅花は染料としても化粧品としても広く使われた植物で、当時の日常の化粧品と地続きの材料だったことになる。青系には藍、黒には墨——いずれも天然の色材である。
現代では、舞台用に調合された練り化粧料が中心とされる。舞台照明の下で意図した色に見えること、汗をかいても流れにくいこと、そして肌への安全性——これらを両立させる必要があるため、専用に作られたものが使われる。天然材料そのままでは、現代の照明や上演条件に合わないという事情もある。
ただし、材料は変わっても方法は変わっていない。鬢付け油の下地を作り、その上に筆や指で線を引き、ぼかしていく。この手順は江戸から続いている。そして油性であるという性質も変わっていない。だからこそ、化粧を落とす前に和紙や布を顔に押し当てて、隈取をそのまま写し取ることができる。これを押隈(おしぐま)といい、記念として残される。水性の顔料であれば、こうした写し取りは成立しない。材料の性質が、慣習のかたちを決めているわけである。
この回答に出てきた言葉
- 紅花
- 紅色の染料・化粧料の原料になる植物。江戸期の紅はこれに由来するとされる。
- 練り化粧料
- 練り状に調合された化粧料。舞台用は発色と安全性を両立させて作られる。
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SOURCES
出典・記載の方針
本項は、歌舞伎について広く共有されている基礎的な知識に基づく編集部の回答です。慣行として伝えられる事項は「とされる」と記し、断定を避けています。
- 執筆
- D-13編集部
- 公開日
- 2026年8月25日(火)
- 最終更新日
- 2026年8月25日(火)