yagō

屋号

やごうthe hereditary house name of an acting family

INSTANT ANSWER一撃回答

歌舞伎役者の家に代々伝わる、家の呼び名。市川團十郎(いちかわ だんじゅうろう)家の屋号(やごう)は「成田屋(なりたや)」。劇場では観客の掛け声としても響く。

屋号は、歌舞伎役者の家に代々伝わる家の呼び名である。江戸時代、役者が商人と同じように屋号を名乗った名残とされ、市川團十郎家の「成田屋」は、成田山新勝寺への信仰に由来するとされる。歌舞伎の屋号の中でも、最も古いものの一つに数えられる。

屋号は市川宗家(いちかわそうけ)だけのものではない。尾上菊五郎(おのえ きくごろう)家の「音羽屋」、松本幸四郎(まつもと こうしろう)家の「高麗屋」、中村勘三郎家の「中村屋」など、それぞれの家が由緒ある屋号を持ち、初代の出自や座元の名にちなむものが多いとされる。屋号を知れば、舞台の上の役者の背後に、家々の歴史が立ち上がって見えてくる。

「成田屋」の誕生には、こんな逸話が伝わる。子に恵まれなかった初代團十郎(だんじゅうろう)が成田山新勝寺に祈願したところ、のちの二代目を授かった。その報恩に不動(ふどう)明王にちなむ芝居を上演すると大当たりとなり、客席から「成田屋!」の声がかかった——これが屋号の始まりとされ、市川宗家と成田山の縁は今日まで続いている。

劇場では、見得(みえ)や登場の瞬間に「成田屋!」という掛け声(大向う(おおむこう))が飛ぶ。屋号を呼ぶことは、役者個人だけでなく、その家が積み重ねてきた芸の歴史への喝采でもある。

三升(みます)——大・中・小の升を入れ子に重ねて真上から見た形。市川宗家の定紋で、舞台の衣裳や幕、番付のあちこちに現れます。

FROM THE OFFICIAL CHANNEL

KABUKU. / 市川團十郎。

この言葉が出てくる映像

【楽屋紹介】市川團十郎が語る舞台裏|歌舞伎座の鏡台へのこだわり。

2025年6月8日(日)

屋号「成田屋」がなぜ成田なのか。初代・二代目と成田山新勝寺の縁が、鏡台の来歴とともに語られます。

SOURCES

出典・監修

執筆
KABUKI Universe編集部
監修
市川團十郎
公開日
2026年8月15日(土)
最終更新日
2026年9月9日(水)
監修済み

監修は、市川團十郎に趣旨と要点を確認いただいたことを示します。本文は編集部の文章であり、市川團十郎の発言ではありません。文責は編集部にあり、記述の誤りは編集部の責任で訂正します。 編集方針を読む