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六方

ろっぽう「六法」ともthe bravura stylized exit walk

INSTANT ANSWER一撃回答

手足を大きく振り、力強く踏みしめて進む様式的な歩みの演技。『勧進帳(かんじんちょう)』の弁慶が花道(はなみち)を引っ込む飛び六方(ろっぽう)が名高い。

六方は、特別に大きく手を振り、足を力強く踏みしめながら歩む様式的な演技で、主に舞台から花道を通って引っ込む際に行われる。右手と右足のように同じ側の手足を同時に出して進むのが特徴で、誇張された歩みそのものが人物の力と心の高ぶりを表す。

一足ごとにはずみをつけて飛ぶように進む「飛び六方」のほか、狐の身のこなしを映す狐六方、傾城(けいせい)の風情をまとう傾城六方など、多彩な型が伝わるとされる。花道を駆け抜ける役者の全身に、劇場中の視線と喝采が集まる。

六方の名は、天地と東西南北——六つの方向へ手を振って進むことに由来するとされる。「方」は方角の方であり、この六つの方向こそが名の由来である。別に、江戸の「六方組」と呼ばれた者たちの気取った歩き方に由来するという説も伝わる。いずれにせよ、天地四方を貫くような大きな歩みこそがこの演技の眼目であり、名の由来そのものが、六方という芸のスケールの大きさを物語っている。

その代表が、歌舞伎十八番(じゅうはちばん(おはこ))『勧進帳』の幕切れ(まくぎれ)、主君の危機を脱した弁慶が客席の間を飛ぶように駆け抜ける飛び六方である。歴代の市川團十郎(いちかわ だんじゅうろう)が勤め続けてきたこの瞬間は、荒事(あらごと)の家の芸の高揚がもっとも純粋に爆発する時間といえる。

舞台揚幕へ
六方(ろっぽう)——花道を、手足を大きく振り上げながら跳ぶように去っていく引っ込み。『勧進帳』の弁慶が見せる「飛び六方」がよく知られています。図は足取りを簡略化したものです。
『勧進帳』の武蔵坊弁慶と富樫左衛門。弁慶が金剛杖を手に足を踏み出し、大きく身体を開いた構えを見せる
歌川国貞『歌舞伎十八番之内十八 勧進帳 五代目市川海老蔵の富樫左衛門・八代目市川團十郎の武蔵坊弁慶』嘉永5年(1852)。弁慶が花道を去る飛六方は六方の代表例歌川国貞『歌舞伎十八番之内十八 勧進帳』ボストン美術館(パブリックドメイン, Wikimedia Commons)
SOURCES

出典・監修

執筆
KABUKI Universe編集部
監修
市川團十郎
公開日
2026年8月15日(土)
最終更新日
2026年9月9日(水)
監修済み

監修は、市川團十郎に趣旨と要点を確認いただいたことを示します。本文は編集部の文章であり、市川團十郎の発言ではありません。文責は編集部にあり、記述の誤りは編集部の責任で訂正します。 編集方針を読む