TACHIBANAYA — YAGŌ

橘屋

たちばなやTachibanaya家の呼称: 市村羽左衛門家定紋: 根上り橘・渦巻

橘屋は、市村羽左衛門家の屋号です。十五代目市村羽左衛門(1874-1945)は、歌舞伎俳優名鑑が「大正中期以降は随一の人気役者」と記す二枚目役者で、その当り役を集めた「可江集」が家の芸として伝わります。市村座ゆかりの家で、名跡「市村家橘」は五代目尾上菊五郎や十五代目羽左衛門の前名でもありました。

歌舞伎俳優名鑑によれば、十五代目市村羽左衛門は5歳で初代坂東家橘の養子となり、明治14年に初舞台、明治26年に六代目市村家橘、明治36年に十五代目市村羽左衛門を襲名しました。『切られ与三』『直侍』『助六』『勧進帳』の富樫などを得意とし、昭和18年に大日本俳優協会の初代会長に就任しています。

十七代目市村羽左衛門(1916-2001)は坂東家から入った俳優で、三代目坂東亀三郎・七代目坂東薪水・七代目坂東彦三郎を経て、昭和30年10月の歌舞伎座『石切梶原』で十七代目を襲名しました。二代目市村萬次郎はその次男、六代目市村竹松と初代市村光は萬次郎の長男・次男です(歌舞伎俳優名鑑)。

十七代目市村家橘は二代目市村吉五郎の長男で、1967年10月に襲名しました。名鑑は「『家橘』の八代目は、九代目市川團十郎と共に明治の歌舞伎界に大活躍した五代目尾上菊五郎の、十代目が美男の誉れ高い十五代目市村羽左衛門のそれぞれ前名という、江戸三座・市村座ゆかりの大きな名跡だ」と記しています。名跡「市村羽左衛門」の現状は、収集した資料に記載がないため断定しません。

定紋 — 根上り橘・渦巻: 歌舞伎俳優名鑑は、十五代目・十七代目市村羽左衛門と二代目市村萬次郎の定紋を「根上り橘、渦巻」、六代目市村竹松・初代市村光を「根上り橘」、十七代目市村家橘を「根割橘、渦巻」、初代市村橘太郎を「三ツ脚橘」と記します。

01HOUSE ARTS

家の芸・演目

「選び定められた演目群」と「家に伝わる芸」は別のものです。名称も成立の経緯も家ごとに違い、同じ制度がすべての家にあるわけではありません。

選定された演目群

可江集

「可江」は十五代目市村羽左衛門の俳名。歌舞伎演目案内は「家の芸というよりは、いかにも羽左衛門の当り役を並べた、といった趣き」と記し、演目ではなく演目と役の組み合わせで伝わります。

勧進帳 / 助六由縁江戸桜 / 仮名手本忠臣蔵 / 義経千本桜 / 與話情浮名横櫛

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02HEREDITARY NAMES

この家の名跡

執筆
KABUKI Universe編集部
公開日
2026年9月12日(土)
最終更新日
2026年9月12日(土)
編集部執筆