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所作事

しょさごとkabuki dance pieces

INSTANT ANSWER一撃回答

音楽に乗せて舞踊を中心に見せる演目。振事とも呼ばれ、女方(おんながた)の芸から発展して、道成寺物や松羽目物(まつばめもの)など多彩に花開いた。

所作事(しょさごと)は、舞踊を中心に構成される演目を指し、振事とも呼ばれる。「所作」とは演技としての身ぶりのことで、元禄年間に物語性をもった舞踊として生まれたとされる。はじめは女方の芸として発達し、長唄(ながうた)に乗せて恋の行方や女心の揺れを踊りで見せたが、やがて立役(たちやく)も踊るようになった。

『京鹿子娘道成寺』や『春興鏡獅子』はその代表格で、伴奏には長唄・常磐津・清元などが用いられる。引抜(ひきぬき)やぶっ返り(ぶっかえり)といった衣裳の仕掛けが舞踊の展開を彩るのも、所作事ならではの楽しみである。

所作事の頂点と讃えられる『京鹿子娘道成寺』は、宝暦3年(1753)、江戸の中村座で初代中村富十郎が初演したとされる。恋する娘の心を切々と綴るクドキ、引抜で白い衣裳に替わって鈴太鼓を打ち鳴らす場面——白拍子花子の踊りには女方舞踊のあらゆる要素が織り込まれ、一曲のうちに所作事という様式の豊かさを見わたすことができる。

市川團十郎(いちかわ だんじゅうろう)家とのかかわりでは、七代目團十郎(だんじゅうろう)が能に取材して初演した『勧進帳(かんじんちょう)』が、格調高い松羽目物の舞踊劇として歌舞伎十八番(じゅうはちばん(おはこ))の中心に据えられている。荒事(あらごと)の家の芸は、舞踊の世界にも大きな足跡を残してきた。

『京鹿子娘道成寺』の白拍子花子と桜木。振袖に烏帽子を合わせた舞姿で、扇を手に踊る二人の役者
歌川国貞(三代豊国)『四代目尾上菊五郎の白拍子花子と初代中村福助の白拍子桜木(娘道成寺)』万延元年(1860)歌川国貞(三代豊国)『白拍子花子と白拍子桜木(娘道成寺)』大英博物館(パブリックドメイン, Wikimedia Commons)
SOURCES

出典・監修

執筆
KABUKI Universe編集部
監修
市川團十郎
公開日
2026年8月15日(土)
最終更新日
2026年9月9日(水)
監修済み

監修は、市川團十郎に趣旨と要点を確認いただいたことを示します。本文は編集部の文章であり、市川團十郎の発言ではありません。文責は編集部にあり、記述の誤りは編集部の責任で訂正します。 編集方針を読む